誰もが見かけたことのあるワセリン。
しかし使ったことはない!という人がわりと多いんですね。
なぜかというと、効果や使い道がイマイチわからないから…。
ところがワセリンはリーズナブルなのに優秀なアイテム。
冬の乾燥対策にも役に立ってくれます。
今回は、手軽に入手できるワセリンの効果と使い方をみていきましょう。
Contents
ワセリンとは

まずはワセリンの基礎知識。
ワセリンは、石油が原料の鉱物油で作られています。
原料が「石油」と聞くと、なんとなく肌に悪いイメージになり嫌厭している人も多いようです。

しかしワセリンは皮膚科でもよく処方されているし、けっして安全性が低いものではありません。
石油のイメージが古い
そもそも「石油が肌に悪い」というイメージは、一昔前のものといえます。
なぜなら昭和の時代はまだ精製技術が発達しておらず、精製の施しが甘い石油由来の化粧品が出回ってしまいました。
それによって肌荒れを起こしてしまったユーザーがとても多かったのです。

その結果、「石油由来の化粧品は肌に悪い」というイメージが定着してしまいました。
しかし現在では精製技術も飛躍的に発達しています。
石油由来の化粧品には「自然素材よりもアレルギーを起こしにくい」「品質が低下しにくい」などのメリットも認められているので、皮膚科でも処方しているのです。
ワセリンは精製度が大事
つまりワセリンを使用する場合、とくに顔などに使いたいときには「しっかりと精製されたワセリン」を選ぶ必要があります。

ワセリンはさまざまな種類が販売されています。
よく見ると色が黄色っぽいものや、白色のものが…。
ワセリンの色が白いものほど、精製度が高くなっていると思ってください。
スキンケアで使用するなら白いワセリンを選ぶようにしましょう。
代表的な白色ワセリン。
ほかにもたくさんの種類があります。
おすすめのワセリン
ワセリンというと、まず名前があがるのは「白色ワセリン」「プロペト」「サンホワイト」となります。
この3種類がスキンケアで使用するワセリンの主流といえるでしょう。
皮膚科でも処方されることが多い、基準を満たした製品になります。

精製度は、白色ワセリン<プロペト<サンホワイトとなります。
つまりサンホワイトが、一番精製度が高いワセリンということになります。
プロペト
白色ワセリンから、さらに不純物を取り除いたものがプロペト。
皮膚科で処方されるプロペト。
顔の保湿に使いたいときは、このプロペトがおすすめ。
市販で購入できるプロペトはこちら。
パッケージが違いますが中身は同じです。
サンホワイト
プロペトをさらに高純度にしたワセリンがサンホワイト。
パッチテストの基材としても使用されているワセリンです。
価格を気にしないなら、ベタつきが少なくて伸びやすいサンホワイトが一番のおすすめです。

ワセリンの効果

ワセリンの効果といえば保湿効果です。
だから手足のカサついた部分に塗って、しっとりさせるというのが一般的な使用方法になっています。

ではワセリンの保湿効果の性質について、解説しておきましょう。
保湿効果の性質
保湿効果と単純にいっても、大別すると2種類の働き方があります。
・水分を逃がさないようにする働き
保湿成分を配合するのは、「肌の水分量を上げる働き」をさせたい場合です。
つまり保湿効果があるからといって、保湿成分が配合されているとは限らないわけです。
ワセリンの保湿効果は「水分を逃がさないようにする働き」のほうになります。
肌に水分を供給する性質はなく、肌をコーティングすることで水分を逃がさないようにする性質の保湿効果になります。

だからワセリンを上手に使うには、この特徴を生かした使い方をするのがポイントです。
フタをするように使うのが基本
顔などにワセリンを使う場合は、化粧水や美容液でしっかりと肌に水分補給をしてから、ワセリンでフタをするように使うのが基本です。

肌の水分をしっかりとキープできるようになり、バリア機能も維持されます。
敏感肌やアトピーの悩み解消にも
ワセリンは、皮膚科でアトピー性皮膚炎に対して処方されることも多い製品です。
それだけ安全性が高く、保湿効果も期待できるということです。
アトピー性皮膚炎の肌や敏感肌は、傷ついた状態になっています。
だから肌に刺激を与えないもので保湿をする必要があります。
しかし普通の保湿剤では刺激物が配合されているものが多く、製品選びがどうしても難しくなりがちです。

そこでワセリンが活躍。
精製されて純度が高くなっているワセリンなら、肌に刺激を与える可能性が非常に低くなっています。
敏感肌やアトピー性皮膚炎の悩み解消にも役に立ってくれるわけです。
とくに日本薬局から販売されている「白色ワセリン」など、傷ついている肌に使用することを前提に製造されているワセリンもあります。

ワセリンの使い方

ワセリンはベタつくから苦手な人も多いようですが、上手に塗ればベタつきも気にならなくなります。
ワセリンをうまく塗るコツはとっても簡単です。
1・薄く、少量でOK
ワセリンはまず薄く塗るのが基本です。
ベタついてしまう人は、薄く塗れていない場合が多いようです。

薄く塗るために、手に取る量はごくわずかにしておきます。
顔だったら耳かき1~2杯分くらい。
こんなに少しでいいの?と、心配になるくらいの量がちょうどいいです。
2・温めてから塗布
手に取ったワセリンを、手のひらで温めてから塗り始めます。
温めることでテクスチャがやわらかくなるので、薄く塗れるようになります。

この工程を飛ばすとワセリンが上手に塗れなくなってしまいます。
ワセリンを使いこなすための大切なポイントです。

ワセリンの応用術

ワセリンは一つもっておけば基本的なスキンケアだけでなく、いろいろな活用をすることができます。
+ハチミツ。
カサつく唇も改善!
ワセリンはリップクリームの原料にも使用されています。
つまりワセリンがあれば、リップクリームとしても代用できるわけです。
さらにカサついて荒れた唇には、「ワセリン+ハチミツ」が効果的!
ハチミツは、粘膜の荒れに効果があります。
そこに保湿効果たっぷりのワセリンを混ぜて、リップパックにするんです。

ワセリンとハチミツを1:1で混ぜ合わせ、唇に伸ばし、ラップをかけておくだけ。
荒れが改善されて、うるるん唇に!
花粉症対策にも!
花粉症の人は、春の訪れの前にゆううつな時期が…。
そんなときにもワセリンが活用できます。
綿棒で鼻の中にワセリンを厚めに塗って、マスクをかけます。
するとワセリンが花粉をブロックしてくれるので、花粉症の症状がかなり楽に。

さらに、ワセリンにミントなどのアロマオイルを1滴混ぜてから使用すると、スーッとした爽快感もプラスされます。
新しい靴にも!
新しい靴を買ったら、靴ズレ防止にも活用できます。

擦れそうな場所にワセリンを塗っておけば潤滑油の代わりになり、歩きやすくなります。
油汚れにも!
キッチンの掃除や、自転車のチェーンで手についてしまった黒い油汚れ。
落ちにくいですよね。

そんなときは、ワセリンを多めに塗って擦ります。
油がみるみる落ちて肌荒れの心配もなしです。

一家に一個のワセリン
活用法もたくさんあって便利なワセリン。
乾燥対策だけでなく、一年中役に立ってくれそうですね。
今度ワセリンを見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。