アミノ酸が含まれている食品は「体にいい」というイメージですが、どんな効果があるのでしょうか。
じつはアミノ酸は美肌の元ともいえ、最近ではアミノ酸配合の化粧品も増え始めています。
今回はそんなアミノ酸の肌への効果をみていきましょう。
アミノ酸とは

アミノ酸は自然界のあらゆるものに含まれていて「生命の源」とさえいわれています。
なんと、隕石にもアミノ酸が含まれていることがあるんです。
そんなアミノ酸は、自然界では500種類くらい発見されています。
その中で私たちの体に必要なアミノ酸は20種類。
肉や魚を食べてタンパク質を摂取すると20種類のアミノ酸に分解され、そこからさらに「体タンパク質」に組み替えられます。
こうして組み替えられた体タンパク質が、筋肉をはじめとするさまざまな体組織を構成していく仕組みです。
つまり私たちの体を構成するうえでアミノ酸は必要不可欠な存在。

こうしてアミノ酸は肌や髪の構成にも関わっているので、美肌に欠かせないというのもうなずける成分なんです。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
「必須アミノ酸」というワードを耳にしたことはありますか。
必須アミノ酸とは、体の中でつくることができない、もしくは十分につくることができないアミノ酸のことです。
だから必須アミノ酸は外部からとり入れていく必要があります。
そのほかの、体内で合成できて不足を補えるアミノ酸は「非必須アミノ酸」と呼ばれています。
こうした必須アミノ酸が9種類、非必須アミノ酸が11種類の合計20種類のアミノ酸によって、私たちの体の重要な組織がつくられているわけです。
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
・トリプトファン
・トレオニン(スレオニン) ・バリン ・イソロイシン ・メチオニン ・リジン ・ロイシン ・ヒスチジン ・フェニルアラニン ※小児のみ・アルギニン
|
・アラニン
・グルタミン ・グルタミン酸 ・システイン ・セリン ・チロシン ・アルギニン ・アスパラギン ・アスパラギン酸 ・グリシン ・プロシン |
これらのアミノ酸をバランス良く摂取することで、美肌への効果も大きく期待できるようになります!

アミノ酸と肌

ではアミノ酸が肌にどんな効果をもたらすことができるのかみていきましょう。
保湿力アップ
肌の一番外側の層である角質層は、天然保湿成分(NMF)によってうるおいが与えられています。
つまりNMFは私たちの肌にとって一番ナチュラルな保湿剤というわけですね。
NMFは水分と結合する力が高く、とても優秀な保湿剤です。

こうしたNMFによって角質層のうるおいがたっぷりキープできれば肌もきめ細やかになり、バリア機能もアップされます。
バリア機能とは、肌内部の水分蒸発を防いだり、外部刺激の侵入を防いだりといった角質層の大切な働きのことです。

逆に角質層のうるおいが足りないと肌のキメは悪くなり、バリア機能も低下して肌へのリスクが高くなっていきます。
そんな角質層の保湿に欠かせないNMFの主成分になっているのがアミノ酸。
アミノ酸は肌の保湿に大きく貢献してくれているのです。
だからアミノ酸を含んだ化粧品を肌に塗布することで角層が整い、保湿力やバリア機能のアップが期待できるようになります。
肌ハリアップ
角層が肌の一番外側で肌を守る存在なら、肌の一番奥でハリを支えているのが真皮層。
真皮層によって肌の弾力やハリが保たれているのですが、その主成分となっているのがご存知コラーゲンです。
だから「肌にハリ」といえばコラーゲンというイメージも定着していますね。

そのコラーゲンの原料となっているのもアミノ酸です。
アミノ酸によってたっぷりのコラーゲンがつくられれば、肌をピンと若々しく保つことができます。
コラーゲンよりアミノ酸!?
ハリといえばコラーゲンなので、コラーゲン配合の化粧品もたくさん販売されています。
しかしコラーゲンは分子がとても大きいため、なかなか真皮層まで届けることができません。
そこで分子を小さくしたコラーゲンも開発されていますが、肌の奥まで届いたとしても定着は難しくなっています。(だから保湿効果のみを期待したほうがいいでしょう)
こういった仕組みから、最近ではコラーゲンそのものより「コラーゲンを生成できる成分」が注目されています。
アミノ酸もその1つです。

アミノ酸は分子がとても小さく、コラーゲンの約3000分の1程度。
肌にもかなり浸透しやすくなっています。
しかもコラーゲンを「生成する」ので、真皮層での定着も期待できます。
肌のハリ力をアップするのに、コラーゲンそのものよりも優秀な働きができる成分といえるのです。

アミノ酸で美肌をつくろう
肌のうるおいやハリのもとになっているアミノ酸。
アミノ酸配合の化粧品やサプリメントで、その効果を体感してみてください。