保湿成分にはたくさんの種類があります。
その中でも、肌のハリが気になるときに選ぶべき保湿成分はコラーゲン。
「コラーゲン入り」といった食品もよく売られていて、1番身近な保湿成分ともいえますね。
そのコラーゲンが私たちの肌にどう作用するのか、どんな性質をもっているのか、効率的な摂取方法と一緒にみていきましょう。
Contents
コラーゲンとは
コラーゲンとはタンパク質の1種です。
保湿成分として有名過ぎるため「肌」に存在しているイメージですが、コラーゲンは骨、血管、真皮、歯など体のあらゆる部分に存在しています。
なんと人間がもつタンパク質のうち、約30%がコラーゲンなのです!(ちなみに人間の全体重の約20%はタンパク質と考えられています)

それだけにコラーゲンの生成が減少してしまうと、体のあらゆる部分が劣化してしまうということになります。
コラーゲンの働き
そのコラーゲンが私たちの体中でどんな働きをしているかというと、「細胞同士を結合させる」といったものになります。
イメージしやすいように、コラーゲンは細胞同士をくっつける接着剤と考えてください。
だからコラーゲンが足りなくなると細胞と細胞がうまくつながらなくなり、活動できなくなってガタガタになってしまうのです。
肌への影響
私たちの肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」とに分かれています。
この中でコラーゲンが存在しているのは真皮層です。

真皮層の約70%はコラーゲンで構成されているといわれていて、足りなくなれば当然ダランとたるんでしまいます。(下図参照)

すると真皮層は肌にとって土台になる位置づけなので、「真皮層ががたるむ=肌がたるむ」という図式になります。
だから肌のハリが足りないな…と感じたら、コラーゲンが減少していると考えられるのです。
エラスチンとは
ここで少しエラスチンにも触れておきましょう。
コラーゲンほど有名ではありませんが、じつはエラスチンもとても大切な存在なのです。
というより「コラーゲンにとって大切な存在」といえます。
なぜならエラスチンはコラーゲン線維を束ねて、つなぎとめる働きをしているからです。

真皮の約70%を占めているコラーゲンに対してエラスチンはたったの2~4%になりますが、エラスチンなくしてコラーゲンの弾力性は保たれません。
コラーゲンとエラスチンは「2人で1つ」となって肌のハリを支えてくれているのです。
コラーゲンでの保湿

コラーゲンには保湿の働きもあります。
つまり真皮層で「水分を保持しながら肌のハリを支えている」ということになるのです。
そこで保湿系のスキンケア用品にはコラーゲン配合の商品も多くみられます。
真皮層には届かない
ではコラーゲン配合の化粧品をたっぷりと肌に塗れば、真皮層がコラーゲンで満たされる…と考えたくなりますが、そういうわけにはいきません。
コラーゲンはとても分子が大きく、肌の外からとり入れても真皮層までは到達できないのです。
化粧品でとり入れたコラーゲンは角質層で留まり、そこで「潤いを保つ」という働きをすることになります。
つまり「肌の底上げ」という働きまでにはいたらないのです。

こういった「分子が大きい」という特性から、マイクロコラーゲンやペプチドコラーゲンといった低分子化されたコラーゲンも開発されています。
しかしやはり真皮層まで届けることは難しいと考えられるでしょう。
そもそも自ら生成したコラーゲンでなければ、定着はできないのです。
コラーゲンを増やす方法

ではどうしたら真皮層のコラーゲン量を増やせるのでしょうか。
最近では「コラーゲンの生成力を上げる成分」をとり入れて、コラーゲン量を増やすのが1番効率的という考え方が主流になりつつあります。
生成力を上げる成分
コラーゲンの生成力を上げる成分として有名なのはビタミンCとレチノールです。
ビタミンC
ビタミンCは成熟コラーゲンが作られるときに、その生成を促す働きをしてくれます。
つまりビタミンCが欠乏すると、コラーゲンの生成が円滑にならないのです。

美白のためにビタミンC誘導体配合の化粧水を使っている人も多いと思いますが、美白だけでなくコラーゲン生成の手助けもしてくれているのです。
ビタミンC誘導体とは
ビタミンCを肌に浸透しやすくした成分(正確には体内の酵素反応によってビタミンCに変換される仕組みの成分)
レチノール
レチノールはビタミンAの1種になります。
レチノールにはコラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を活性化させる働きがあります。
コラーゲンの生成力を上げるサポートとして心強いのですが、刺激の強い成分でもあります。
使用の際には必ずパッチテストをしたうえで、様子をみながら使っていきましょう。
CVアルギネートにも注目!
コラーゲンの生成力を上げる成分として、新しく注目されているのがCVアルギネートです。
CVアルギネートはポーラR&M研究所が開発した成分で、海藻由来の粘度成分。
「コラーゲン生成のための夢の成分」といわれ、コラーゲンを生成する線維芽細胞の働きを活発にすることがわかっています。(働きとしてはレチノールに似ていますね)

CVアルギネートを線維芽細胞に添加することによって、コラーゲンの生成量が1.7倍になったという実験結果が出ています。
現存しているコラーゲンの増量方法としては、新しく期待がもてる成分です。
コラーゲンで若々しい肌を!
肌のハリや弾力を保つために、コラーゲンは必須といえる成分です。
とり入れることが難しい成分ですが、工夫次第で保持量を増やすこともできます。
これからの年齢肌が気になる人も、すでに年齢肌が気になっている人も、上手にコラーゲンを増やしてエイジング対策をしていきましょう!